古くから陶器商人のまちとして栄えた「本町オリベストリート」付近には、見所ある場所が沢山あります。
流通の要となった下街道や現在も残り使用されている明治の建造物、神社仏閣など…
歴史を感じるまちあるきはいかがですか?
■電灯所
中部電力社長・会長まで務めた電力業界の功労者である故加藤乙三郎宅。
兄の喜平氏が明治39年(1906年)土岐川南岸に発電所を建設し電力を起こしたことが後の美濃焼大量生産の礎となり、地元では「電灯所さん」との愛称で呼ばれる。
西隣に多治見郵便局があったため戦時中疎開との名目で壊され、現家屋は戦後再築されたもの。
■山新宅
大正中期に建て替えられた元陶磁器問屋の家屋。
現当主は13代目。昔は代々新吾という名前を襲名してきており、家屋のある「新町」という町名もここから名付けられたと言われている。
屋根庇には天王様・秋葉様の社が安置されており、連綿と今に続く地域の風習が見てとれる。
■山春宅
北隣の山新宅を本家とする分家。
現在の家屋は本家の店および住居であったものを明治中期ごろに譲り受けたもので、築140年ほど。
戦前は陶磁器問屋、戦後はタイルの卸売業を営んでいた。
玄関口のタイルは昭和10年頃の製品で、この地域で作られた初期のもの。
■国長邸跡
多治見国長は美濃国守護土岐頼貞の同族で、この地を治めた人物。
正中元年(1324年)後醍醐天皇と共にこの地より鎌倉幕府討伐に馳せ参じ、敗戦を覚った後仲間と刺し違え36才で最期を遂げた(正中の変)。
11月に開催される多治見祭りの武者行列で市長が多治見国長の武者姿に扮するのは、この史実に基づく。
昭和31年、県史跡に指定される。
■西浦庭園
明治初期、美濃焼の発展を決意した西浦円治により、一時代をふうびした西浦焼が始められた。
名工加藤五輔(助)をようし明治政府の殖産興業政策にのり、パリ・シカゴ等で開催された万国博覧会に入賞を果たした末、明治44年(1911年)に廃業。
当庭園は3代目円治により構築された離れ座敷のあった庭園。
明治13年(1880年)6月、明治天皇下街道巡幸の際に宿泊所となる。
■新川地家
元川地家は約115年の実績のあった老舗料亭。
建物は過去2回の火災に遭い、現建物は昭和12年に再建されたもの。
新川地家として改装された現在の建物(外観は旧川地家のまま)は、特徴的な宮廷建築の趣を残しつつ、現代の洋風建築の要素を注入。
1階を料亭、2回を宴会場、道路を挟んだ向かいの蔵をチャペルとして営業している。
■山竹宅
明治35年頃に建てられた陶器問屋の本宅。
道路北側にあった倉庫は戦後壊されたが、本宅は建築当時の姿をそのまま残しており、当時の陶磁器問屋の建物配置の様子がよく見て取れる。
建築時、東隣の松正とは姉妹で、同時期に建てられた建物が壁一枚で隔てられている珍しい構造。
■松正
明治中期に建てられた陶器商家。戦後昭和23年に料理旅館として創業。現在は料亭松正として営業。
平書院・付書院づくりの和室が
そのまま料亭として利用されている。
■山久宅
同一敷地内に店舗棟、本宅、倉庫、蔵等々のすべての機能が納めめられていた明治末期建造の典型的な陶磁器問屋の屋敷。
戦後多くの棟が解体されたが、表に残る大きな門は陶磁器製品が近郊の産地より人力車・馬車によって敷地内の倉庫に運び込まれた当時の風情を彷彿させる。
■ヤマカ宅
昭和初期に建てられた陶磁器商の新本宅。
先代庄六氏は商工会議所の会頭も務め、地場産業の発展に尽くした功績により多治見市名誉市民に選ばれる。
西隣が旧宅で、現在は新屋。
敷地内の旧花御堂はカナダ人が設計した建物で、まちの景観に調和した建造物として第1回ハーモニー大賞を受賞した。
■山松商店
明治時代から現在まで4代続く陶磁器問屋であり、現在も本町オリベストリートで陶磁器商を営む唯一の商店。
門の内側へ引き込まれた建物は、多治見村役場として使われていた建物と言われる。
■常夜灯
下街道(大井槙ヶ根峠より中山道と別れた名古屋に至る15里の脇往還)に建てられた石灯籠。
村内安全、道中安全の願いを込めて建てられ、当時は信仰の対象にもなっていた。
■唱行寺
下街道沿いに建つ日蓮宗の寺院。
本尊は釈迦牟尼仏。
日蓮宗の信徒である加藤忠兵衛により明治12年に建立された。
■神明神社
明応8年(1499年)創建。
新羅神社が勧請されたときに境内社として祭られ、明治時代になって現在地に遷宮された。
この丘陵一円は、神明公園となっている。
■上山邸
土岐川北岸に望まれる優雅な庭園と建物は、大正末期建造のタイル業を創業した上山家の邸宅。
中にある洋館はドイツ壁風の仕上げで、主屋他の日本家屋もこの洋館に合わせた造りとなっている。
平成14年に国の有形登録文化財に認定。
■平野公園・陶祖碑
多治見市内を見渡せる高台にある公園。
公園に至る坂道は、桜の古木が並ぶ花見名所の一つ。
公園内には多治見陶磁器の礎を築いた陶祖・加藤与三兵衛慰景光の記念碑が建てられており、4月の陶祖祭時には、感謝の祈祷が行われる。
■福寿寺
多治見市内に6つある曹洞宗寺院の一つ。本尊は聖観世音菩薩。
寛文5年(1665年)開創の瑞浪市・開元院を本寺とし、明治18年本寺より許可を得て名称を萬年山福寿寺と改め現在に至る。
■山下地蔵
大きなお地蔵様が1体と小粒のお地蔵様30体がまつられている。
参拝者の打ち水が絶えず、地域住民の信仰心の深さが見て取れる。
8月には近くの渡辺地蔵とともに盛大に地蔵盆祭が開催される。
■浄念寺
浄土真宗の寺院。
創建100年ほどで、八角堂は平成8年建立。明治以降に建てられた寺は珍しい。
<発行元>
たじみDMO(一社・多治見市観光協会)
本町オリベストリート事務所
住所:岐阜県多治見市本町6-6
TEL/FAX:0572-21-2765
E-mail: oribe@tajimi-dmo.jp
Instagram: @oribestreet ←Follow me!